C51276
先日発売となったマイクロエースA6607 C51-276 お召仕様です。
発売当初はパスしようと思っていましたが、その塗装の素晴らしさに参ってしまいました。
「蒸気機関車中の蒸気機関車」として名が高い形式。大正8年から昭和3年にかけて鉄道省浜松工場・汽車・三菱で289両製造されたが、浜松工場は最初の8両、三菱は22両にすぎず、ほぼ汽車会社が独占した。輸送需要の増大とともに鉄道のあり方について論議されたのが大正期であり、広軌論争華やかりし時代であったが、それに終止符を打ったのがC51形の出現である。わが国の鉄道の三大エポックメーカーは「新幹線」、「”こだま”」、そして「C51」であった(鉄道ファン1994年12月号28ページより引用)。
C51というのは、新幹線に匹敵する機関車だったんですね。知りませんでした。
ピカピカな車体に手すりなどの装飾。まさに御召機関車です。
きらびやかないでたちではありますが、これでも御召機関車としては地味な方です。戦後の近畿以西のお召機関車は装飾満載でした。
鉄道ファン1976年12月号によりますと、「東鉄の専用機が地味であったのに比べ、西の方のお召けん引機は実に派手であった。東の方は国旗以外には何もつけなかったのに近畿以西では正に金ピカと言いたいほどの装飾を付け、手すりはもとより、写真のように前面に御紋章、デフには鳳凰とみごとな機関車が続々と現れた。戦前のお召機は塗り替えて磨きだしたが、国旗と手すり以外は何もつけなかった。天皇の神格化されていた戦前が地味で、民主化された戦後の方が派手になったとはどういうわけであろうか。」
東鉄の専用機とは、C57126号機あたりかと思われます。写真を見ると確かにシンプル。
それに比べて、C59108とかD51838などは、マイクロ製品を見ても判りますが、これでもかというくらい装飾されてますね。
車体の美しさはピカ一なんですが、マイクロ蒸気のお約束である「腰高感」は、この機関車にも見られます。
このように機関車を真横から見てしまうと強烈な腰高感にみまわれます。
ちなみに実車はどうなっているかというと、
鉄道ファン1992年2月号「あるお召機関士の肖像」という記事の中の写真です。第2、第3動輪のところのエアータンクは動輪の上部を隠す位置まで下がっています。模型では動輪が完全に見えてしまっています。
この角度から見れば、エアータンク部分の違和感は和らぎますがキャブ下縁の装飾の白が、キャブの高さを強調してしまってます。
私もいずれは腰高修正をしたいと思います。
276号機は、製品の説明書によりますと梅小路機関区の所属だったそうです。
お召けん引の実績を鉄道ファン誌で調べてみましたが、みつかりませんでした。
鉄道ファン1989年4月号によりますと、昭和15年6月、紀元2600年祝典で伊勢神宮参拝の折に運転された御召列車の本務機として使用されたそうです。入念な各部の磨きだしと、伝統の飾り付けによって、C51形機関車の美しさの極致といえるものであった、と賞賛されています。
ちなみに、お召列車の運行史は、
蒸気機関車については、鉄道ファン1976年12月号
EF5861については、同誌1992年2月号
に詳しく掲載されています。
この機関車でけん引するのは、旧1号編成(マイクロエースA4720)となります。現1号編成は、昭和35年に製造もしくは改造されたものです。
但し、旧1号編成の落成は昭和7年なのだそうで、もしかしたら、276号機は旧1号以前のお召編成を牽いたのかもしれません。
旧1号編成のモデルは、まだ量販店でも見かけます。
本機のほか、C59108とかEF5316とかのけん引にはベストマッチです。
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