山手線のおもいで
50年前の記憶かと思うと恐ろしいものがありますが、ウグイス色の山手線とすれ違ったときに、これからの山手線はあの色になると母親に教えてもらった覚えがあります。そのころの主力は、カナリア色の101系。行先表示は「山手」。
103系が増備されるとともにカナリア色は総武線のラインカラーとなりました。
原型103系の時代、私は小中学生だったので、遊びに出たときに乗るくらいで、あまり思い出はありません。
唯一の思い出は、試作冷房車。なにしろ、一般家庭にクーラーなどない時代。涼しい通勤電車の登場は、今にして思えば高度成長期の証しだったわけです。
1974年2月、都内の私立高校の受験の日に、驚くべきものを見ました。高運の103系です。当時は鉄道雑誌が唯一の情報源であり、その情報誌も本屋で立ち読みするのがせいぜいでしたから、なんの予備知識もなく実物に遭遇したのです。暫時入試に来ていることを忘れてしまったことは言うまでもありません。
幸い県立に合格したので、お世話になったのは、大学に入ってからでした。そのころには、もう低運はいなかったような気がします。
試作冷房車の結果を踏まえ通勤電車も冷房化が進みましたが、山手線や京浜東北線は、編成の両端が冷房車、中間が非冷房車という編成が多くありました。
地方の新性能化の名目で新車を首都圏に投入し、非冷房車を地方に転属させる。これが首都圏冷房化にからくりですが、地方では6両編成くらいの需要しかないので、冷房車として投入されるのも6両。必然的に中間の4両は非冷房のまま残ってしまうのでした。
103系の活躍は1985年ころまで。
埼京線が開業し、103系は埼京線の電車になり、山手線には205系が入りました。
205系の思い出はサハ204。太平洋戦争直後の混乱期に、貨車を客車に代用したため、座席のない車両が存在したそうですが、それ以来の座れない車両。今は埼京線に移りましたが、埼京線も近々E233系化されるのでもうすぐ見納めです。
そして現在のE231系。当初は6扉車を2両組み込んでいたものの、ホームドア対応のために早々に4扉車に組み替えられてしまいました。
ここからは模型の話。
1980年代に高運の103系が製品化されました。当初は前面床下がスカスカでしたが、のちにジャンパ栓を再現したパーツを使用するようになりました。冒頭の103系はASSYパーツと交換したもの。これで前面が引き締まりました。
運転面となると、お座敷運転のエンドレスにはうってつけ。ちょっと走っては停車し、素早く加速しては減速の繰り返し。1時間も続ければ山手線を1周したことになりますが、山手線の醍醐味はターミナルでいろんな列車と出会うこと。たとえば新宿では中央線関係のE351系、E257系、E233系、総武線のE231系。外回りホームの向こう側には小田急の優等列車etc。こういう場面をも再現しようとすると果てしないことになる山手線です。現実的には複々線にして、京浜東北あるいは埼京・湘南新宿ラインとの並走を楽しむといったところでしょうか。
続いては不満というか要望というか、E231系6扉車とこれを差し替えた4扉車まで製品化されているのに、原型103系は黎明期の製品があるのみ。TOMIXさんからは冷房改造車の製品化が発表されましたが、本当に欲しいのは非冷房車なんですね。
中間4両非冷房の昭和後期の山手線には不可欠の存在。
おもわず、101系中間車を塗り替えてやろうかという衝動にかられます。
KATOさん、是非非冷房車のリニューアルをお願いいたします。
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コメント
高崎線ではクハにクーラーが乗っているのに、続くモハが長岡から転属してきた非冷房車のために電源がなく、クーラーは効かない、扇風機もないという悲惨なことがありました。高度成長期ならではのちぐはぐさですね。
投稿: e231green | 2013年2月22日 (金) 午前 07時13分
あの頃は、先頭(両端)だけ冷房で詐欺だと思いましたね。^^
すし詰めの冷房に乗るか、比較的空いてる扇風機に乗るか
究極の選択を迫られましたよね。(汗笑
関水の103系にGMの集中クーラー付けて冷房化するのが
小学生に出来る、せめてものグレードアップでしたが
屋根のアールが全然合って無くても平気で接着してました。
ちなみに、アバウト2/3に間を抜いてぶった切り、モハ181を、
強引にモハ484に改造した時も、トミーのED75から適当に
チギリ取った屋上配線の一部と、GM集中クーラーが重宝しました。(汗
投稿: 齋藤電鉄ryu | 2013年2月19日 (火) 午後 04時39分