KATO製品の組み立てやすさ
115系はKATOの雪切室カバーが印刷で表現された古い単品製品。何年か前に製造された黒Hゴム窓パーツに交換したものなのですが、写真を撮ってみたら
前面窓パーツが中途半端な状態でした。
すぐに修正に取り掛かりましたが、窓ガラスがなかなかはずれませんし、前面窓パーツは、力まかせにはめ込もうとしてもダメで、コツが必要でした。
KATOとはいえ20年以上前の製品ですので、こんなもんでしょうが、最近のKATO製品は組み立てが容易です。
動きが渋くなって下回りを分解された方も多いと思いますが、KATOの場合は車体を外さなくても済んでしまう場合もあるのに対し、TOMIXさんやマイクロさんはイスパーツまで取り外す必要があります。
また、動力台車の組み立ても、KATO製はサクサクと済ませられるのに、他社製品ですと集電板を調整している間にギアが外れたりしまったりして、何回かやり直しを強いられます。
不人気の一体成型屋根も組み立て行程という面からみれば、すぐれた構成ということができます。
KATO製品の、このあたりが日本で製造しながらリーズナブルな価格を維持できている理由ではないかと思います。
どのメーカにとっても、原材料の調達価格は同じようなものでしょうし、金型の設計製造もコンピューターを駆使して行うのでしょうから、製造コストもにたりよったりのはず。
しかし、出来上がったパーツをくみ上げるとなると、人手が必要です。TOMIXもマイクロもわざわざ中国で生産しているのですから、単価としての人件費はあちらの方が安いのでしょうが、単位時間当たり何個の製品を組み立てられるか想像してみると、他社1に対してKATOは2~3くらいでもおかしくないと思います。
ようするに、KATO製品は設計段階で組み立てやすさを追求しているので、相対的に組み立て工賃を低く抑えられ、日本で生産しながらリーズナブルな価格で供給できているものと思われます。
KATOの設計方針、すばらいしいです。
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コメント
KATOの秀でた設計力の賜物なんでしょう。MA社が接着しなければならない箇所が多いところ、KATOは接着無しで固定できる部品設計がされているところなんか、まさに力の差なんでしょうね。そんなKATOの20年前の製品もは、この固定用ツメが曲者で割れたり欠けたり・・・屋根パーツが外れ難いものでした。
NゲージのパイオニアであるKATO、日々の努力こそが優れた製品開発の賜物といえるんでしょう。
投稿: 東濃鉄道 | 2015年8月16日 (日) 午後 05時37分
初めて投稿させていただきます。
管理人様が書かれていることは自分もよく感じることです。本当にKATO製品の部品構成を観察すると恐ろしくスマートな設計をしていることに気がつきます。
とにかく余分な塗装・印刷や組み立ての工数や部品点数を削減し、歩留まりを徹底的に高くする設計をやっていますね。KATOの工場を見学したことがあるという人の話によれば「KATOのものづくりの知恵は学ぶべきことが多い」と口にします。機関車の手すりなんかもドイツ製の機械を導入して埋め込みをやるなど自動化もかなり進んでいるみたいですね。
>>TOMIXもマイクロもわざわざ中国で生産しているのですから、単価としての人件費はあちらの方が安いのでしょうが~
と管理人様がおっしゃられている点については現在中国の人件費も上がりましたし円安基調ですのでそのメリットは薄れてしまっているでしょう。そういう意味で海外の安い人件費に依存し労働集約型の考えから抜けていない模型メーカーは涙目でしょう。特にマイクロエースが・・・・。
対するに日頃から危機意識が強いKATOは「海外の安い労働力に日本が依存できる時代はいつまでも続かない」という読みをかなり前から持っていて、機械や生産システムの刷新にかかる大掛かりな投資を前もって大胆に行ったのではないでしょうか。
KATOは恐るべき会社だと思いますよ。
投稿: 凡人オヤマダ | 2015年8月17日 (月) 午前 10時03分
こんにちは。
確かに私もKATOの技術には秀でるものがあると思います。
しかし国鉄型については、うーんと言わざるを得ません。
私としては、栃木のおもちゃのまち製TOMIXの115系の方がいいかな
と感じております。
まあTOMYは株式上場をしてますから、HG規格製品?を製造できるの
ではとも考えております。
投稿: masa | 2015年8月17日 (月) 午後 03時39分