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EF66を走らせる 2

 今月の鉄道ピクトリアルEF66特集に、貨物輸送から見たEF66形という記事がありました。その内容を引用しながら、模型で再現してみたいと思います。

 まずは、50000系誕生前夜の1970年まで。

 

 トラックや内航海運による貨物輸送が増加する中、国鉄は、

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コンテナ特急貨物列車「たから」の運転で対抗しましたが、さらなるトラック輸送の伸びに対応するため、重量1000トン、最高速度100キロの高速貨物列車の運転を計画しました。時速100キロで走行可能とするために、

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空気ばねのTR203を履き、応荷重装置付き電磁ブレーキ装置を採用した10000系高速貨車が開発されました。

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ワキ10000、

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コキ10000、

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コキフ10000、

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レサ10000、

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レムフ10000がこれにあたります。

 

 10000系貨車の運用開始は、1966年10月のダイヤ改正からで、コンテナ列車3往復、鮮魚冷蔵列車2往復に充当されました。これまでの最高速度85キロの特急貨物列車よりもさらに速い列車なので、高速特急貨物列車と呼ばれました(鮮魚冷蔵列車の返送は特急貨物列車)。

 このときにEF66形は完成しておらず、EF65F型がけん引にあたりました。EF65が1000トンの列車を時速100キロメートルでけん引するためには重連にする必要がありましたが、そうすると電力消費が大きくなりすぎるので、

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列車重量を600トンまで減車して単機でけん引し、鮮魚冷蔵列車の「とびうお」のみ重連により運転しました。

 

 EF66の運用開始は1968年10月のダイヤ改正、いわゆる「よんさんとお」から。1~15号機が落成しました。KATOが前期型と呼んでいる庇のない66です。

 よんさんとおでは特急貨物列車の呼び方が変わり、最高速度100キロの列車は特急貨物列車、最高速度85キロの列車は急行貨物列車となりました。EF66は単機で1000トンの列車を100キロでけん引し、東海道・山陽線で13本の特急貨物列車のけん引にあたりました。

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 翌1969年4月、フレートライナーの運行が始まりました。

 フレートライナーは聞き慣れた言葉ですが、特急貨物列車とどう違うのか、恥ずかしながら、これまで全く知りませんでした。

 結論から言うと、特急貨物列車というのは列車の種別ですが、フレートライナーは貨物輸送の営業形態の一つといえます。

 ごく簡略化して説明すると、特急貨物列車においては、国鉄は発駅から着駅までの運行にのみかかわるだけだけれども、フレートライナーは荷主から発駅までと着駅から送り先までのトラック輸送にもかかわる運送形態です。

 特急貨物列車では、荷主ないし通運業者がコンテナ輸送を申し込んできたときに、コンテナ車に空きがあれば運びますというイメージなのに対し、フレートライナーでは国鉄が通運業者と一緒になって荷主とかかわるので、申し込みを受ければコンテナ車を融通して運びますという感じ。

 特急貨物列車ではコンテナ車に空きがなければ運送を断られてしまうので、荷主としては断られるくらいなら最初から長距離トラックに頼む、ということになります。それでは国鉄のコンテナ輸送が先細りなので、フレートライナーの登場となったのだと思われます。ちなみに、1969年というのは、東名高速道路が全通した年です。

 フレートライナーに関しては、こちらを参照しました。

 また、フレートライナーを調べているうちに、多治見通運さんのこちらのページに行き着きました。

 冬の北海道からはJOTの冷蔵コンテナが、夏の九州からは通風コンテナが多用され、不足を生じないように普通の荷物も通風コンテナを使って九州に運んで、九州からの野菜の輸送に備えるなど、コンテナ運用の実体験が語られていて、興味深かったです。

 黒貨車世代からみるとコンテナ列車は単純に見えていましたが、奥の深さを垣間見た感じ。気を付けないと沼にはまりそうです。

 

 本題に戻りまして、1969年10月のダイヤ改正では特急貨物列車が19本となり、フレートライナーも拡充されました。列車増に対応して、EF66は16~20号機の5両が増備されました。

 

 

 

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コメント

「多治見通運さん」のページ案内、ありがとうございました。

投稿: 東濃鉄道 | 2022年3月12日 (土) 午前 07時39分

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