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KATOクオリティとその隙間2

 KATOクオリティの一つであるファインスケール。1/150ぴったりに設計された車体。

 以前のKATOさんは、機関車は少し大きめに作ったほうが編成にしたときにかっこいいというポリシーから、若干のオーパースケールで設計されていました。小型で強力なモーターが作れなかったこともその一因のようです。

 ただよく見ると、機関車の肩の部分と客車の雨樋がそろわなかったり、客車のベンチレータよりもSLのキャブの方が背が高かったりと、気づいてしまうと悩ましいポリシーでした。

 TOMIXさんには、そのような思想はなかったようで、モーターの都合などでオーバースケールになったり、形態を崩してしまう例はあっても、基本的にファインスケールで設計されていたように思います。

 2007年末、

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C62がファインスケールでリニューアルされ、2010年以降、EF15、D51、EF57など続々とファインスケールでリニューアルされていきました。

 そんな中、少し大きめで残っているのがEF58です。

 EF58が最初に発売されたのは1979(昭和54)年。当然少し大きめに設計されました。

 KATO製品だけですと判りませんが、

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TOMIXさんのゴハチ(手前)と並べますと差は歴然です。

 当時、実車のゴハチは新旧交代で数を減らしているころで、とても人気がありました。そのため、青15号にクリーム4号の前面警戒色を配した当時の姿(306-3)をはじめとして、1964(昭和39)年までの標準色であったぶどう色2号(306-1)、つばめ・はと牽引機の青大将色(306-2)、ブルトレ牽引の特急色(306-4)が製品化され、

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いよいよ全廃が迫る1985(昭和60)年になるとひさし付きぶどう色(3006-5)と青15号(3006-6)、大窓のぶどう色2号(3006-7)と青15号(3006-8)そしてお召機(3006-9)まで発売されました。

 KATOのEF58はしばらく市場から姿を消していましたが、

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1995(平成7)年、フライホイールを組み込むリニューアルが行われ、大窓青(3020-1)、上越形青(3020-2)、大窓ぶどう色(3020-3)、大窓ぶどう色(3020-4)、小窓特急色(3020-7)が発売されました。

 フライホイールを積んだゴハチはバリエーションを増やし、

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2001(平成13)年にはお召機(3038)、

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2002(平成14)年には青大将色(3039)、2004(平成16)年にお召予備機(3050)、2005(平成17)年には大窓ひさし付きの青大将色(3048)と

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Hゴム窓にビニロックフィルターを備えた東海道形(3049)、さらには試験塗装機4両セット(10‐260)が発売、

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2007年(平成19)年には、ぶどう色初期型小窓(3055-1)が発売されて、C62がファインスケールになった2007年末を迎えます。

 このように、ファインスケールの波が届く前に、あまりにもたくさんのバリエーションが発売されてしまっています。もはやファインスケールの隙間ではなくクレバス。

 EF15やEF57の旧製品にバリエーションはなかったし、D51は標準とナメクジがあっただけ。EF58とは事情が違いました。

 そのせいなのか、2008年以降に発売されたEF58150(3049-2)も

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EF5835(3056)もやや大きめで製造されましたし、そのほかのバリエーションも、リニューアルされることなく再生産されています。

 

 EF58のファインスケールリニューアルはあるのか。ファインスケールになれば入線させるとは思いますが、クレバスだけにその数はばかになりません。買い直しを思うと恐ろしい。

 今のままが幸せなのか、ファインスケールの喜びに浸りたいのか、よくわからなくなっています。

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コメント

国鉄ファンです。
Fine スケールも良いですが、
Nゲージは大きことはいいことだ!世代には旧製品群で満足です。(老眼も入り細かいパーツが余り眼に入って来ない😂)
それよりもEF58以降のスカート付き電気機関車のカプラー取り付けスペース穴が、大きくなりブサイクになったと個人的に思います。
スカートと台車が一緒になくなり感涙してスカートのカプラー穴両脇をカッターで「ケディーカプラー」装着していた頃の製品群がわたしの宝物です。
国鉄製品しか買わないわたしのことを息子は、「国男」と呼びJR 製品しか買わない息子をわたしは、
「J男」と呼んでます😆

投稿: Andrew Tanaka | 2023年9月 9日 (土) 午後 10時27分

実車のEF58の写真を見ると客車に対してややほっそり?した印象を受けるのですが、その辺が表現されているのはTomixという感じがします。ただTomixの古い製品は塗装の塗り分けに難ありですので、保有しているのはぶどう2号のみです。

投稿: | 2023年8月19日 (土) 午後 12時19分

カトー信者ですかね。

投稿: | 2023年8月18日 (金) 午前 06時42分

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