特集は、閉そく・信号・標識。模型鉄にとってはあまり興味のない特集かもしれません。
冒頭の目次ページにある、今月の話題を引用しますと、
「古来、鉄道の運転には定められた一定の区間(閉そく)に1列車のみを運転する「1閉そく1列車主義」により絶対的な安全が確保されてきた。そして、その主義に基づき、列車増発、輸送の増大に対処するため、単線・複線、都市の鉄道、地方の鉄道といったおのおのの路線特性に合致した信号保安システムの考案がなされ、多種の列車の設定を可能とし、高密度運転をはじめ、多彩なシーンで安全な運転が展開されてきた。」
鉄道の区間を区切って1つの区間には1つの列車しか入れない。そうすれば、確かに正面衝突事故や追突事故は起こりえないわけですね。
鉄道黎明期には、悲惨な事故が連発したと何かの本で見た覚えがあります。人と人がごっつんこするのとはわけが違う被害がでますから、どうしても事故は防がなくてはならない。その結果1閉そく1列車という鉄則が生まれたということでしょう。
模型の世界の話をすると、入門セットの段階では動力車が1両ですから、列車衝突の危険は皆無ですし、2両目の動力車を導入しても、同じ方向に同じようなスピードで走るだけですから、追いついて連結してしまう可能性があるだけで、衝突はありえません。
模型では、複数の列車を別々の方向に、違うスピードで走らせたいがために、区間=ギャップを切るわけで、衝突防止とは目的が異なります。模型鉄が閉そくに興味をしめさない(と私は感じる。)のは必要がないからかもしれません。
もっと言うと、模型鉄は模型を作り、作った模型を見せることに熱意はもっているけれども、運転自体には興味がないのではないかと思えてしまいます。カーブだろうが直線だろうが、一定の速度で走らせ、模型そっちのけで友人との模型談議に花を咲かせる・・・運転会の見慣れた風景。
そこへ行くとラジコン飛行機は全く違う。模型談議などしていたら、あっという間に墜落大破。そもそもちゃんと飛ばせられるか、破損なく着陸できるか、特に滑走路にバウンドすることなく着陸することはラジコン飛行機の醍醐味でしょう。
鉄道模型も、実車と同じように徐々に加速し、ポイントなどでの制限速度を守り、緩やかに減速して決められた停止位置に衝動なく停止することを目指せば、運転自体がおもしろくなるはずなのですが・・・。
話が脱線しました。今月の話題をさらに引用しますと、
「単線区間におけるタブレット閉そく、票券閉そく、スタフ閉そく、単線・複線区間の自動閉そく式など、・・・・・」
タブレットという単語はもちろん知っていますが、票券閉そく、スタフ閉そくは聞き慣れない単語。
1閉そく1列車主義を確保するための手段なのですが、その中身は本当のところよく知りませんでした。
本文中に解説されてまして、
スタフ閉そくとは、一つの区間に通票が一つしかなく、通票を備えた列車しかその区間に入れない。
物的に一個の通票しかないから、
その区間を走れる列車は1列車のみとなり、衝突の余地はなくなります。
ただ、これだと、下り列車が区間の終点まで行って、上り列車に通票を渡し、上り列車がやってきて通票を受け取るまで、次の下り列車は発車できない。朝のラッシュのように、一方向に複数の列車を運転したいときは、スタフ閉そくでは対応できない。
通票が次の駅にあるので、後続下り列車は区間に入ることができない。
そこで、票券閉そくでは、通票が一つしかないのはスタフ閉そくと同じだけれども、通券(年月日や列車番号が記載されている紙片)が用意されていて、
最初の下り列車は通券を備えて区間の終点まで走り、
終点に到着したという連絡が入ったら次の下り列車は
通票を備えて区間の終点へと走り出すことにより、続行運転を可能とするもの。これなら、需要に応じた運転ができる・・・・・かと思いきや、
先行下り列車の次に上り列車が区間を通過し、そのあとに後続下り列車が区間を通過するというダイヤが組まれているときに、上り列車が大幅に遅れて通票を持ってきてくれない事態となったときに、スタフ閉そくや票券閉そくでは、上り列車到着まで出発できず、後続下り列車も大幅遅れを免れない。
そのような事態にも対応できるのがタブレット閉そくで、通票は多数あるけれども、区間両端の駅の通票閉そく機に収納されていて、通票閉そく機の外に出せるのは1個だけ。そして通票を備えた列車しか区間に入れないというもの。
通票閉そく機から通票を出すには、双方の駅長が電話で連絡をとりあう必要があることにして、1個の通票のみが外にでている状態を確保する。
上の例で、上り列車が大幅に遅れているのであれば、双方の駅長が下り列車を先に走らせることに合意して、下り列車のいる駅の通票閉そく機から通票を取り出す。
これで、下り列車はダイヤ通りに走れるわけです。
映画で見る核ミサイル発射手続きのようなものでしょうか。例えが物騒でした。失礼しました。
このような安全確保の初歩から、最近山手線でテストが行われているATOに至るまで、安全確保についての記事が満載です。
模型鉄には直接関係のない内容ですが、信号機の設置場所とか設置方法はレイアウト製作の参考になるかもしれません。
それから、このような特集では買ってくれない読者が多いと考えたのか、巻末には
前号の特集だった183・189系の続編が掲載されています。国鉄型好きは、まんまと今月号を買わされるという寸法になっておりました。
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