国鉄の気動車 15 民営化直前に登場した系列
1987年4月1日、日本国有鉄道は、JR各社に民営化されました。これに先立ち、経営基盤の弱い北海道、四国、九州用に気動車が新製されました。
キハ31,32,54,185500,185の各形式です。国鉄に在籍していましたが、実質はJRの気動車というべきでしょう。
キハ31
九州用の一般型気動車ですが、製造コスト、ランニングコストの低減、観光路線にも使用できる室内設備が求められたため、台車はキハ58系の廃車発生品、250馬力の1エンジンとするも、車体をステンレス製にし、車長を17.25メートルに短縮することで、キハ58と同等の加速力を持たせました。室内は、普通車ながら2+1の転換クロスシートを配して観光路線に対応できる設備としました。
Nゲージでは、マイクロエースから2016年に製品化されていますが、当鉄道には入線しておりません。
キハ32
九州用の一般型気動車。製造コスト、ランニングコストの低減、ワンマン運転対応をコンセプトとして、廃車発生品の活用、鋼製車体、キハ185,54と同じ250馬力のエンジンを採用するも車体長15.8メートルとすることにより、キハ20を超える加速性能を持たせました。室内はロングシートです。愛媛県向けはオレンジ、徳島県向きは青、高知県向きは赤の斜めのラインが施されました。
Nゲージではマイクロエースから、2012年にJR四国色と愛媛県色が発売され、順次その他の仕様のキハ32がモデル化されました。
キハ54
四国用の0番台と北海道用の500番台が製造されました。基本的な性能は同じですが、使用地の特性に応じた車体構成となっています。
北海道用500番台
セミクロスの一般仕様と新幹線の転換腰掛を転用した急行仕様があります。北海道用のため非冷房で製造されました。500番台はグリーンマックスから2003年に製品化されました。
四国用0番台
ロングシートのみの設定。冷房は製造時から取り付けられています。モデルは、トミーテックから鉄道コレクションブランド2017年に製品化されました。
キハ183系500番台
北海道内のキハ82系を完全に置き換える目的で製造されました。将来のスピードアップ改造に対応できるよう、動力装置、走り装置、ブレーキ装置が改良され、車両の軽量化が図られました。
当鉄道には、JR化後、エンジン出力を向上させた550番台が入線しております。
185
老朽化したキハ58系を置き換え、同時に特急に格上げするために製造された特急型気動車です。この時期に製造された他の気動車同様、製造コスト、ランニングコストの低減が図られています。
JR化後、振り子機構を備えた2000系気動車が新製されたため、JR九州に売却されたり、普通列車用に改造されました。
当鉄道には、普通列車用に改造された3000,3100番台が入線しています。
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